「高校を卒業してヨーロッパに行くのは無謀ですか?」①

思考
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今日は意を決して、ともすると物議を醸しそうなトピックを扱ってみたいと思う。

まずは背景になる話から。

僕自身は、国内のコンチネンタルチームの愛三工業レーシングというチームと契約して、アジアのUCIレースを中心に活動している。

僕達のチームは、決して現状に満足するというわけではなくて、今年EF-nippoとの契約を勝ち取った中根英人選手のように、「アジアで活躍して、欧米のトッププロチーム入り」を目指して活動している、いわゆる育成チームなのだけど、

高校や大学を卒業したあとの自転車ロードレース界で、世界を目指すための活動の仕方というのは他にもあって、

・単身ヨーロッパに渡ってアマチュアから始めて、ヨーロッパのトッププロチームとの契約を勝ち取る

・Jプロツアーや、今年発足するJCL(ジャパンサイクルリーグ)を主戦場とするチームに入って、リーグでの優勝や全日本選手権での優勝を材料にトップチーム入りを狙う

大雑把に分けて、現状この3つのパターンに分けられると僕は考えている。

それぞれのやり方を僕がどう考えているか、なんて話は、長くなるのでまたの機会に説明するとして、僕が最近感じるのは、

「後輩から『ヨーロッパに行って活動したいと思ってるんですけど、大前さんはどう思いますか?』と聞かれることがめちゃくちゃ多い!」

ということ。

なので、今回は後輩たちに向けてこの質問にお答えすると共に、高校生、大学生じゃない人たちも、

「へぇ、日本の自転車ロードレース界の未来ってこんな感じなんだ」

てなるような記事を残しておきたいと思い、筆をとってます。

では本題に入りましょう。

高校を卒業してヨーロッパに行くのは無謀ですか?の答え

おそらく長文になるだろうから最初にはっきりした答えを書いておくと、

「それは、あなたの時間の使い方次第」

ということになる。

はっきりした答え書けよー!

ていう声が聞こえてきそうだけど、実際のところ短くまとめるにはこういう書き方しかできないので、詳しく知りたければもう少し我慢して読んでほしい。

まずはちょっと、抽象的な話から入ります。ごめんなさい。

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「時は金以上なり。」

「時は金なり。」

ということわざを聞いたことがあるでしょう?

僕は最近、

「時」は場合によっては「金」以上の価値を持つ

というふうに考えている。

だって、僕達の寿命は運命によって決まっていて、一千万円で1年寿命を伸ばせる商品はこの世に存在しないから。

近い将来そんな夢のようなサプリメントが開発されたら、世の中の価値観は一変するのかもしれないけど、少なくとも今のところはそうだ。

時間は限られているから、本当に価値のあることに使いたい。

「時間の使い方」は本当に多岐にわたっていて、

YouTubeを見てゲラゲラ笑う時間、

起業するために勉強をする時間、

家族や愛する人とかけがえのない思い出を作るための時間、

どんなことをしても、時間は全員にとって平等に過ぎていく。

将来のあなたが、何に時間を使うことに一番の価値を見出すかは、今はまだわからない。だけど、毎日朝から晩まで働かないと、生活に必要なお金も稼げないような仕事をしていたとしたら、

その「あなたが価値を見出したこと」に時間を使うことは難しくなる

これからは、既存の職業がどんどん機械やAIに代わられていく時代だから、そんな中でも食いっぱぐれないように、高校生、大学生のうちからマルチなスキルや知識を身に着けておく必要があると思う。

ここでちょっと、別の話をしたい。

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購入した家は「資産」ですか?「負債」ですか?

この話は有名な投資家ロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん、貧乏父さん』という本に出てくる質問で、

「購入した家は資産ですか?負債ですか?」

というのがある。

簡潔に答えるなら、これも「場合による」というわかりづらい答えになるんだけど、

「資産」と「負債」の定義をしっかりしておくことで、この答えが納得できるようになる。

「資産」とはプラスのキャッシュフローを生むもののことを言い、「負債」とはマイナスのキャッシュフローを生むもののことを言う。

頭の中が???になった方、大丈夫、ちゃんと説明します。

例えば、購入した家を賃貸物件にして、長期的に見て買った金額よりも大きい金額の儲けを生み出せるなら、それは「資産」。

逆に、購入した家は自分たちで住むから、ローンを支払いながら20年30年と住み続け、完済する頃には売っても二束三文にしかならないなら、それは「負債」。

だから、購入した家の使い道によって、それは資産にもなるし負債にもなる、というのが答え。

ロバート・キヨサキ氏は、この概念を頭に入れて、お金を使うとき

「このお金はプラスのキャッシュフローを生むだろうか?」

と考えることで、「損をしない投資」ができると語っているのだけど、

僕は、時間の使い方も、それと同じだと思っている。

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「資産になる時間」を使え。

さっきのお金の話を時間に置き換えてみてほしい。

「ヨーロッパに行ってプロチームとの契約を勝ち取るために全力で頑張る時間」が、将来的にもっと大きな「価値のある時間」を生むのなら、その時間は資産だ。

まだ分かりづらいと思うから更に解説すると、

例えばヨーロッパで成功して、新城幸也選手や別府史之選手のように、トッププロチームに入って、たくさんお金をもらって、副業なんかしなくても愛する人との余暇を楽しめるなら、それは「資産」だ。

それに、新城選手や別府選手は引退しても、海外で活躍した経験やスキルを活かして単価の高い仕事をすることだってできるだろう。それで余った時間で、自分にとって価値のある時間を過ごせる。だから、彼らのヨーロッパでの「下積み期間」は資産なんだ。

でも、こういうのはどうだろう。

ヨーロッパで夢破れて帰国して、アルバイトしながらでないとやっていけないような契約金で国内のチームに入って活動する未来が見えるなら、それは「時間の浪費」だ。

もしくは夢破れて引退して、企業に就職したけど、「時間」と「お金」を低いレートで両替するような労働に時間を使わなければならなくなることも、「時間の浪費」だ。

そういう意味でいうと、「高校を卒業してヨーロッパに行くこと」が有意義か無駄か、というのは答えの出ない問で、それはなぜなら、

ヨーロッパで過ごそうが大学に行こうが、国内のチームと契約しようが、その期間の「あなたの時間の使い方」によって、その期間の時間の価値は変わってくる

からだ。

僕は今、分かりやすいように「ヨーロッパで成功するか否か」という例えをしたけど、こんな風にも考えられる。

将来、「ヨーロッパで過ごした時間や経験」を、引退後にうまくマネタイズしていけるのなら、その時間は資産だと言えるし、

せっかくヨーロッパに行ったのに、結局その経験を人に話すこともなく自分の思い出の中にしまって別の仕事をするのなら、それは「時間の浪費」になるんだ。

僕は今、どんなふうに時間を使っているか

ちなみに、国内にも、アルバイトをしなくても豊かに生活できるだけの契約金をもらえるチームはある。

僕はプロ選手になる前は医学生をやっていたから、今の生活は

「練習以外の時間が自由に使えて、毎日ハッピー!」状態だ。

それで、もちろんもっと強くなるために、自分でお金を払ってパーソナルトレーナーをつけたりという自己投資もしているのだけど、

好きに使える時間は、こうしてブログを書いたり、投資の勉強をしたり、ビジネスになりそうな企画を考えたりしている。

あと、一番短期的にマネタイズできそうなのは、パーソナルトレーナーの資格をとって実際に活動を始めたことかな。

そもそも、医学部を休学してプロ選手になったのも、

「その方が将来、スポーツドクターとして活動し始めたときに活動の幅が広がることでその分のマネタイズができる」ので、この時間が資産になる、と判断したからだ。

僕の今の時間の使い方が本当に資産になったかどうかは、もうあと20年経ってみないとわからない。

それでも、プロ選手をやって練習以外の時間を、ゲームやYouTubeに費やしているよりは、有意義な時間の使い方をしている自負はある。

「どこで活動するか」ではなく「どのように活動するか」

当たり前のことを言うと、安定を求めてプロ選手になろうとする人はいない。こと自転車ロードレースにおいては。

おとなしく就職したほうが安定した給料がもらえる、という意味では、そっちの方がよっぽど良い。

でも、その道をわざわざ捨てて自転車をやることを選ぶのなら、その時間は浪費してはいけない

あなたが今経験していること、考えたこと、身につけたスキル、

そういったものを将来どうやってマネタイズして、生計を立てていくのか。

それを考えて活動することで、10年後や20年後がかなり変わってくると思う。

僕も頑張るから、あなたも頑張って!

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あとがき

誰とは言わない、後輩たちに向けた文章だったので、ところどころ上から目線になったフシがあったとしたら、お詫びします。ごめんなさい。

僕も親や周りに迷惑をかけてプロ選手になって、好き勝手やっているから人のことは言えないんだけど、

少なくともこんなことを考えながら、時間を浪費しないようにしている。

そんな僕の活動をゆる〜く見守ってくださったら嬉しいです。

次回、「ヨーロッパで活動するメリットとデメリット」

ちょっと今回は長くなってしまって、書ききれなかったので、次回、僕が友人から普段聞いている、「単身ヨーロッパにわたって自転車の武者修行をすることのメリットとデメリット」を書いてみようと思う

それではまた!

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