今日も今日とて、レースの難しさを思い知ることとなった。
レースプロフィール
- コース:群馬サイクルスポーツセンター
- 周回数: 22周132km
- メンバー:伊藤選手、住吉選手、岡本選手、草場選手、自分、當原選手、貝原選手、中川選手
- 結果:自分3位、岡本選手10位など
レース前の見立て
2日目は60kmのスプリントレースで、集団スプリントになる予測がつけられた。
それに対して今日はレース展開が集団の雰囲気によっていかようにでもなりそう。
考えられるとすれば、前に前に展開が起こるサバイバルレースか、強くない逃げができた場合はコントロールされた集団スプリント。
どちらに転んだとしても、チーム全体で前に位置どって、逃げを選別しながら展開していく必要があった。
レース序盤〜逃げ形成
序盤から激しいアタック合戦になったが、お互いにチェックし合っている感じでなかなか逃げが決まらない。
その中でアタックが頻発するので、集団は常に縦に長く伸び、前方でもコーナー明けのたびに中切れが起こる。
決定的な逃げが決まりそうな雰囲気ではないが、先頭10番手くらいに位置をとっていないと中切れにあって有力選手を行かせてしまう可能性がある。
そう思って10番手以内に位置を取るようにしていた7周目、速い展開に後ろも振り返らず食らいついていたら気づいたらペースが緩み、逃げが決まっていた。
逃げメンバー紹介、回らないという選択
逃げのメンバーは以下。
- 宇都宮ブリッツェン:増田選手、鈴木譲選手、西村選手
- マトリックス:ホセ選手
- チーム右京:小石選手、武山選手
- 愛三:自分
- ナショナルチーム:小出選手
- レヴァンテ富士:西村基選手
- 那須ブラーゼン:渡邊選手
複数名入れているのは宇都宮ブリッツェンとチーム右京。
有力チームで全く入っておらず分が悪いのはキナン、1名ずつしか入っておらず分が悪めなのはマトリックスと愛三。
逃げが決まった瞬間に思ったことは
「ここから独りかあ、、、」
ということ。
しかし、逃げ集団の中では僕がスプリンターであること、愛三はこの逃げを継続したくないことが明白だったため、ローテーションには積極的に加わらず、周りの選手も容認してくれた。
逃げは完全にゴーサインの宇都宮ブリッツェン、チーム右京武山選手、ナショナル小出選手が積極的に牽いている。
中間スプリント2回をすんなり頂く
前述の通り、逃げのメンバーはお互いに顔の知れている選手で、ナショナルチームなどで合宿をしてきたのでお互いの脚は知っている。
そのため中間スプリントで僕がもがく素振りを見せるともはや誰も並びかけようとしない。
僕がスプリンターなのを知ってくれていて、僕ともがき合って中間スプリントを争うよりも逃げを継続するメリットが大きいからだ。
というわけでありがたく中間スプリントを2回とも頂いた。
個人総合ランキングで7位につけてのスタートだったので、少しでも点数は稼げたほうが良い。
愛三の必死の追撃〜終盤の攻防
残り8周くらいから、監督から
「後ろ伊藤選手に牽かせているので、ローテーションに全く加わらなくて良い」
という指示をもらう。
後ろは伊藤選手の牽引によって20人の追走集団ができその中に岡本選手、草場選手もいるらしい。
吸収されて集団の人数が増えてしまったとしても、単騎で勝負するよりは3人を加えた4人で展開できたほうが良い。
というわけで本格的にローテーションを飛ばし後ろを待ちたい意志を明確にする。
ところが、僕に出された指示は当然逃げの他の選手も聞いているので、これと縮まり始めたタイム差を受けて宇都宮ブリッツェン西村選手、増田選手、ナショナルチーム小出選手がペースアップを開始。
宇都宮ブリッツェンが人数を揃えているのでローテーションを飛ばそうとしても自分を入れようと中切れ気味になり少々ストレス。
しかしここは単騎の宿命なので遅れないようについていく。
結果的にタイム差は縮小傾向から拡大に転じ、僕の吸収されたいという願いが叶うことはなかった。
分かりきっていたのにつけなかった増田選手のアタック
逃げ集団での勝負を考えた場合、スプリンターは僕しかいないので、周りの選手がスプリントでの勝負を望まないことは明らかである。
そのため勝負がかかるとしたら1号橋の上りか心臓破りの登りきりだろうと予想。
周りの選手もかなり脚にきているようなので1号橋からの逃げ切りは現実的じゃない。そうなると心臓破りで何かしらの動きがある可能性が高い。
そう思って覚悟を固め心臓破りに突入したのだが、頂上付近でおそらく最後尾から速度差をつけて増田選手がアタック。ホセ選手が反応。
自分は予想は完璧にできていたけど、つく気すら起こらない速度差で3位争いに切り替えざるを得なかった。
後ろの5人でのスプリントをとって3位。
及第点だが、増田選手との力の差をとくと見せつけられ課題が浮き彫りになった。
良かった点
集団内に疲労の色が見えたが、メンバーを入れ替えて出場しているチームには脚がフレッシュな選手がいて、中切れが起こりやすい展開だった。
それを予測してつねに10番手以内にいようという意識と、それを実現する脚があったことは収穫だった。
自分としては特にアタックに反応したようなつもりもなく逃げが決まったので拍子抜けしてしまった。
昨日今日とドン引くレベルのハイペースで群サイを回ることになったのだが、そこに圧倒されるわけではなく普通に対応できたという点で、オフシーズンの積み重ねの成果を感じる。
良くなかった点
チームとして逃げに僕しか入れず後手に回ってしまったことが良くなかった。
増田選手のアタックも瞬間はキレがあったが、バックストレートの平坦区間ではあとひと踏みでキャッチできるくらい近づいていた。
もちろん自分がつけなかった力不足なのだが、最後に身を呈してキャッチしてくれる人員がいればスプリントに丸め込めた可能性もある。
最後の心臓破りでも、まずは小石選手をマークして3番手でヘアピンを回ったのも良くなかった。
余力を残していそうな増田選手が見える位置で登っていれば、つけなかったにしてももう少しトライできたかもしれない。
レース後所感
今回の群馬での3日間でそれぞれ、12,4,3位となり、個人総合ランキングで2位につけている。
チームランキングでも2位。
課題は残るけれども、結果だけ見るとうまく行っている。
しかし、宇都宮ブリッツェンやキナンといった、チームとして牽引ができるチームと比べると、チーム力が劣っているのは明らかである。
これに関しては、うちが若手育成に方向性を転換しており、自分含めチームの6人が新卒3年以内という若いチームなので、時間をかけて協調を密にしともに成長していくしかない。
こうしてJプロツアーが開催されることで、課題を把握することもできるし、いつか来るアジアツアーにも自信を持って望むことができるだろう。
今回開催してくださったJBCF及び関係者の方、メディア、チームスタッフ、チームメイト全員に感謝申し上げます。
さいごに
次のレースは、開催されれば2週間後のJPT宇都宮クリテリウム・ロードレース。
今回の3日間で僕の今年のオフシーズンの積み重ねは正しかったことが分かったので、引き続き頑張っていきます。
応援よろしくお願いします。