【シーズン最終戦】経済産業大臣旗レースレポート

レースレポート

シーズン最終戦、レースグレードはプラチナにして、総合首位キンテロ選手との点差はわずか209ポイント。

結果次第で逆転総合優勝も可能だったこのレースには、まさにチームの総力を結集して臨むことになった。

結果的に4位となり、3位にホセ選手が入ったことで、むしろ総合成績を3位に落として幕を閉じることになってしまったが、この経験と悔しさは必ず、僕とチームを強くしてくれるものだと思う。

そんな最終戦のレポートをお伝えする。

年間総合の行方は最終戦にもつれこむ

前週に行われたおおいたロードレースの結果を受け、総合首位キンテロ選手と、総合2位の僕の点差は、わずかに209ポイント。

最終戦は優勝には900ポイント、2位には675ポイントが入る。

つまり、仮に僕が優勝しキンテロ選手が2位になった場合でも、逆転総合優勝が可能である。

近年こんなに年間総合がもつれたJプロツアーは珍しかったのではないだろうか。

そんなわけで、チームが目指すのはもちろん優勝。

成績をねらう選手は僕でなくても良いが、僕が優勝して逆転総合優勝というのがチームとして最良のカタチであり、僕の調子も相変わらず良かったことから、チームは僕一本で勝負することになった。

今回もお写真は三井至カメラマンより。ありがとうございます。

序盤は平穏な展開から

レーススタート後、最初の3周はいつも通りアタック合戦が続くが、総合上位陣はお互いを見合っているのでマークが厳しく、キナン山本元喜選手などのアタックは決まらない。

その中からシマノ、弱虫ペダル、群馬グリフィンの選手などが抜け出し、レヴァンテ富士佐野さんなどもフォローしていって、5名の逃げが形成された。

マトリックスはコントロールをしない

マトリックスは最悪、この5名が逃げ切っても個人総合優勝は守ることができる。そのため、先週とは打って変わってコントロールをしない選択。

住吉選手が早い段階でマトリックスと話して、それを聞き出してくれたので、うちがメインでコントロールすることに。

ブリヂストンも協力してくれて、前半はその2チームによるコントロールで落ち着いた展開となった。

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逃げはラスト10周で吸収

逃げの吸収は図ったものではなかったが、ゴールが近づくにつれて各チームがソワソワし始めて位置取りが激化し、そのあおりで先頭のペースが速くなって自動的に逃げを吸収する形となった。

上の写真と同じ構図に見えて、キナンやシマノが上がってきているのが分かる。

スプリントに丸め込んでキンテロ選手を下したい我々にとっては、60kmを残しての吸収はあまり良いとは言えない状況だったが、仕方ない。

その後は散発的なアタックが続き、ブリヂストン橋本選手を含む4選手がさらに逃げを形成する場面もあったが、キナンなどの強力なコントロールにより、ラスト3周までには全て吸収。

そして、そこからはマトリックストレインがレースを支配した。

トマ選手のアタックにホセ選手がフォローしていって後手を踏み、自分で追う場面もあった。

鉄壁のマトリックストレイン

キナン トマ選手などが、心臓破りの坂を迎えるたびにマトリックスの牙城を崩そうとアタックを仕掛けるが、決まらず。

ラスト1周の心臓破りまで速いペースを維持して、そこから満を持してマンセボ選手、キンテロ選手、ホセ選手が発射。

僕はブリヂストン、キナンのトレインの後ろからそれにフォローしていったが、頂上を超えた時点でできたギャップを埋めきれず、キナン山本大喜選手と2人に。

山本選手は前を追う意思がなかったので、このまま後ろに吸収されてスプリントで4位を堅守するか、最後まであきらめずに前を追うかの2択を迫られた。

しかし、後ろを振り返った時に伊藤選手が追いかけてきてくれているのが見えたため、後ろに戻ることを選択。

ブリヂストン今村選手に差されたかと思ったが、8/1000秒差でなんとか持ちこたえ、集団の頭の4位となった。

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チームの団結を感じた最終戦

イレギュラーなシーズンで、レースに対するモチベーションも様々な中、調子が良くない選手もいた。

僕はといえば、限られた休学期間の1年を使ってやっているのだから、レースがあろうがなかろうが自分のできる限り強くなるために策を打つ、というモチベーションでやっていたので、調子はむしろ良かったといえる。

そうして自己課題と向き合い続けた結果、優勝こそなかったものの、最終戦次第で逆転総合優勝という位置で最終戦を迎えることができ、最終戦では、全員が僕のために仕事をしてくれて、チームとして機能してレースを作ることができた。

僕の力不足で最後はマトリックスの思う儘にしてしまったけれど、この経験は、来年アジアツアーが再開して遠征に行くときにも、必ず役に立つものだろう。

また、UCIレースがほとんど中止になったことで、国内選手のモチベーションの矛先はJプロツアーになり、例年以上に白熱した戦いが繰り広げられたのでは、とも思う。

そうした中で、年間総合3位を獲得したことも、必ずや来年に向けての自信になるし、勝てなかった悔しさも併せて、僕を強くしてくれると思う。

シーズン通して応援してくださった皆さん、ありがとうございました。来シーズンはもっと強くなって帰ってくるので、また応援よろしくお願いします。

180kmの熱戦の後にラーメンが染みる。
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